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タンゴから民族音楽、ロックンロールやレゲエなど様々なポップミュージックが伝播していく中でそれぞれ「翻訳されて失うもの」のは当然なんだけど、そんな中、勘違いも含めて独自に根付いていくものもあるようにハウスミュージックも色んな国、地域から声を上げていってる。
エチオピア出身のMikael SeifuがワシントンDCで主宰するレーベル1432R(このレーベルはどのレコードも興味深い)から2015年リリースのこの12インチ、E.R.(Ethiopian Records)は個人名でなくてレーベル周辺のエチオピアのアーティストによるユニットで1432RからのデヴューEP。
Burialにも通ずるUKガラ―ジの中、エチオピア伝統音楽を通過させたブレイクビーツという摩訶不思議なサウンドは正に、翻訳されて失われつつ他にない何かを獲得し独自の進化を遂げたものになっているA1。同じワシントンDCのFuture Timesの中心的ユニットBeatutiful Swimmersによる同曲のリミックスはよりキック感のある仕上がり。90年代くらいあった民族音楽にシンセの和音がビューって入るような駄目な融合ではなく、どこを聴いてもエチオピアなんだけどコード感のある四つ打ちでハウスはどこまでも自分たちの打ち出すサウンドなB1。エチオピアのヒップホップグループZion RebelsをフィーチャーしたB2もへんてこりんで聴き物。
Track List
A1: Qen Sew (For My Father)
A2: Qen Sew (For My Father) (Beautiful Swimmers Head Up Mix)
B1: Feluha
B2: Lela Lela feat. Zion Rebels)