前回の45Sevenレーベルら紹介したFlatinersもイスタンブールのプロデューサーだが、今回のEl Mahdy Jr.は北アフリカ、アルジェリア出身でイスタンブール在住のプロデューサー。
以前から取り上げて、ラジオでも幾度となく放送し、トークイベントも行った、Glocal Beats関連から気になっていたアメリカ西海岸はポートランドのレーベルBSI Records。 そこのEzra Erecksonが新たに興したレーベル、ZamZam Soundsからリリースされていた7インチ”Last Breath / Last Deal”での中近東音階による妖しいダブサウンドをDISCSHOPZEOのサイトで試聴して早速、同時に入手できた初のアルバム”The Spirit Of Fucked Up Places”を購入。 (こちらは同じくポートランドのレーベル、Boomarm Nationからのリリース) アルバムも強力で、そうなると他の音源も聴きたくて探し回って、同じBoomarmからリリースの4曲入りの10インチ”Rai Dubs”での自身の出自であるアルジェリアのライをダブステップ化した1枚で完全にノックアウト。 そしてスイス/フランスを拠点とするレーベル、Danse Noire Recordsからリリースの12インチ、”Gasba Brime”が、またたまらない。
こうして羅列しただけでも、三つのレーベルにまたいでリリースされていて、それぞれが興味深い作品をリリースしていて、もう嬉しい悲鳴。
新しいレコードがどんどん世に出る中、既にカタログ化されている”過去の名盤、名曲”だけが好きなら、それはそれでいいのだし、人それぞれ。だけど、未だ聴いたことのない何かを求める向きであると公言しながら、新しいアーティストやレーベルから、もう何もないし、レーベル買いも、かつてのようにはない、なんて言葉を見たり聞いたりすると、面白いものが出てこないのではなく、その人自身の感性の摩滅に他ならない。そんなことを考えたここしばらく。