ギャスパー来日・DJ・友川カズキ新作録音

イベントスケジュールでお知らせした通り、先週無事に東京に行って来た。10月10日、木曜日ということもあるし、兄が入院したのも心配でギリギリまで様子みたが、仕事もエアポケットのように三日間空いたので帰りのチケットは予約せず当日朝いつものように鞄1杯のレコード転がしの東下り。

今回の旅の友はダニエル・ラノアの自伝「ソウル・マイニング」。文章のプロではないし、散文的で時系列が分かりにくい点もあるが、それでも内容の面白さに時間があっという間に過ぎる。色々遅延もあったが13時30分には品川着~恵比寿経てCOMBO HOUSEへ着いたのは14時過ぎ。ギャスパーと再会を祝いハイタッチ。彼は先に東京見学に行きたいとのことで先に出た。僕は、しばしCHで休憩。諸々準備してからタクシーで麻布六本木へ。16時過ぎに会場のスーパーデラックスに搬入。もうギャスパーは着いていた。知らない人がより多い場所でのDJは本当に久しぶりで、このアウェー感は心地良い。初めて触る機材は戸惑うことも多いが、テクニクスのターンテーブル2台とパイオニアのCDJ-200が2台。メーカー忘れたけどミキサーも使い勝手良くて快適。すぐに使い方慣れたので、練っていた繋ぎから発展させたり、変えてみたりと色々試してみる。そうしてるうちに鶴真さん、秋田さん(Merzbow)、そして吉田達也さんも来られてサウンドチェック開始。鶴真さんとは何度も共演してるギャスパーだけど、ドラムセットやラップトップ、ミキサーからの音と合わせるのはかなり難しそう。ギャスパーもチェロを増幅させてみたりと試行錯誤の末、セッティング完了。

こちらは既に操作に慣れてしまったので簡単に音出ししてもまだ19時過ぎ、そのままミックスしていって19時30分開場。割と年配の方から客席が埋まっていく。ここからのミックスは本編で、Roscoe Mitchellの新作の冒頭、ロスコーによるパーカッションソロ「The Horn」からスタート。イタリアのMaurizio GiammarcoとAndrea Centazzoのデュオレコードから、アンドレアのドラムソロ「Canzone Per Carla」を経て、Yesの「Relayaer」から「Sound Chaser」のスティーブハウのギターソロに被さるようにBattlesの12インチ「Ice Cream」を45回転で。そこからPhillp Glassのトリヴュート盤、『Rework: Philip Glass Remixed』からTyondai Braxtonで「Rubic」、その後は、Quicksails「The Many Roads To Wards Mayville」、Holden「The Caterpillar’s Intervention」、Joseph Hammerの「I Love You, Please Love Me Too」に、Areski E Brigitte Fontaineの「Depuis」から「J’Al 26 Ans,Madame」、ジョセフハマーで続けて、ブラジルのLula Cortez E Ze Ramalhoの『Paebiru』から「Nao Existe Molhado Igual Ao Pranto」から、この曲のIllum Sphere Mixへと繋げる。Nurse With Woundの「Alice The Goon」でギャスーパーと鶴真さん登場。

本日は「壇ノ浦」。薩摩琵琶は所謂、晴眼者によって語られるのが特徴(この辺りは調べてみるとなかなか面白い)、何度も手合わせしている分、呼吸も合ってる。初めて観た人にはかなり新鮮だったんじゃないかな。演目は「壇ノ浦」の語りから掛け合いでの即興演奏で約30分。

合間の休憩中は、Josef Van Wisemの『New Music For Old Instruments』から「Hersey Of The Free Spirit」から。皆が聞きに来るのが面白い。ギャスパーも飛び出して来たので「灰野敬二」だと伝える。ここから高岡大祐『借景 夏』に被さるようにFactory floorの10インチ『Untitled』から「Solid Sound」。ここでも問い合わせ多かった。The Durian Brothers「Heat」、Shackleton「Naked」と繋いで、いよいよギャスパー、メルツバウ、吉田達也登場。

ここから轟音、叩きまくり、ヴォイスのカオス。チェロを増幅させたといえ、やはり埋没か・・・と思うも暫く聴いてたらサウンドチェックよりもおかしい。どうやらマイクが上手く繋がっていない様子。ギャスパーもアルコのクロス両手弾きなど懸命な姿が伺えるが、消化不良の1時間だったかな。吉田さんが、そろそろここらで、と出した伝達のようなものも、どうも伝わってない様子で、”相手の音を聴く”という即興演奏に欠かせない対話のようなものが欠けていたの厳しいところ(まぁあれだけ轟音の中だと厳しいもんだが)。いつも、誰とでもいい訳ではないのは当たり前ではある。だから、ではないが次の機会があれば、ギャスパーは生音でチェロだけや、共演あっても歌なしの組み合わせで何か出来ないか余計に思った。

終演後のバータイムはパキスタン歌謡、Ahmad Zahirのレコードかけっ放しにして、ようやくのビール。ここで以前、大阪阿倍野のバーで企画したイベントに来てくれた方(現在は関東在住)と約8年ぶりに再会。最近は友川さんのライヴにもよく行ってるとのこと。色々意外な繋がりの話など聞けたし嬉しかった。片付け、挨拶も済まし中目黒の打ち上げ会場に移動、着いたら雨。CHのメンバーや仲間たちと乾杯。1時過ぎにCHに戻り、そこからまたまたレコードと会話と赤ワイン。結局寝たのは4時前。

10月11日(金)、8時過ぎに起床してシャワー。緊急の知らせもないので今日中に帰れればいいやと決めて本日はアピアで友川カズキ、ニューアルバムの録音。今回のギャスパー来日の目的でもある。帰宅するには遠すぎると、一緒にCHに泊まったウェブデザイナー氏(友川さんのウェブサイトも手伝ってもらっている)も共にアピアへ。約束の12時前に着、既に皆到着してる様子。初めてのアピア、階段を降り、中に入ると目を丸くして「わざわざ大阪から来たのっ!」と友川さん。大阪で開催される絵の個展(友川さんのお知り合いの方)の話などしながら、空いた席に。これから呑みながら、録音して、休憩して、呑んで、食べて、録音して、呑んで・・・という中で全11曲録音する。12時30分くらいから1曲目の録音開始。以前に友人の録音風景に立ち会ったことはあるが、ダビングはほとんどせずに、「せーの」で参加メンバーが音を出して録音というのは観ててライヴのようでもあり面白い。その録音した音源を皆で聴いて確認。その場でアレンジが練られていく、楽器が変わったり、編成も変わることも。最初は昨夜の呑み疲れが取れなくて魂が抜けてたけど、やがて、あまりの面白さに引き込まれて行く。ここ最近のライヴで聴いてきた新曲が、生まれ変わっていくのが、とてつもなく興味深い。

順調に曲数をこなして行き、この調子で行くと18時くらいには終わるかもと思うも、演奏者魂に火が付いたこともあり白熱。17時過ぎ、後2曲で休憩に入ったタイミングで失礼することに。

18時30分には品川着。席に腰を降ろすと疲れがどっと来たが心地良い。なかなか得難い場に居合わせて貰った。ふと、友川さんをラノアがプロデュースしたらどうなるだろうか?などと本の続きを読みながら帰阪。ライヴは全曲新曲で聴いてみたい、と思うくらい出来になると思う。過去よりも現在が尚、興味深い。大阪でライヴ開催するのが楽しみ。

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