Tomi Lebrero Live at afu(会ふ)

11月4日(金)の福岡からスタートしたトミ・レブレロ2度目のジャパンツアー。NICHEで企画した11月6日(日)@afuも無事終了し、昨夜9日は難波の絵本カフェholo holoでの瀬戸信行とのデュオライヴも盛況のうちに終了。9日も本ツアーとは別企画だったが5日でも福岡petrol blue藤本一馬とのライヴがあった。これで4本のライヴをこなし、今夜大阪最後の夜でオフ。 明日には京都、姫路、名古屋、東京と続いていく。

自分でもまとめようと思いながらなかなか時間作れず。他の方たちのブログ紹介を道しるべに、6日のライヴの模様をまとめてみた。

先ずはafuのオーナー氏。「バンドネオン、最高!

気になっていたファナ・モリーナのオープニングアクトの一件をタイチきんに聞けたり、回りのひそひそ話を払拭する、”得意のスペイン語”を駆使してのトミとの会話など、ステージのあるライヴ会場ではなかなか実現できない、afu(会ふ)ならではの光景。アタルさん! afuが、そこに集いし人たちの「あふ」場所として、物凄く効果を発揮してましたよ!!  トミの念願叶って、オオルタイチ+ウタモのライヴをブッキングできたこと、企画が進む中で、より互いの音楽性に惹かれあった彼らの初対面、初共演をこのafuで実現出来たことは企画者として望外の幸せ。そして、アルゼンチンだからスペイン語だよな・・・といった躊躇いなぞふっとばして、トミを囲い話しかけるお客さんの人懐っこさ、ライヴが良かったことが一番だけど、きっとトミの醸し出すものと、このafuという場所がそうさせたんじゃないかと思う。そんなニコニコニコした笑顔を見られたのが一番の報酬。

時計じかけの俺んち・トミ・レブレロLIVE@心斎橋アカ村「afu(会ふ)」

この方は元旦での月眠ギャラリーでのトミのパーティーに来てくれたメンバーの一人で、この日は職場である福井県からわざわざ駆け付けくれた。車だったので大好きなお酒も我慢の中で美味しそうな、ほっちバーの写真を多く写してくれてる。 ここでは、トミが彼のことを思いだし、そのことを求めたサインの中に書き記した言葉にグッとくる。ということで引用。

we start 2011 together and we finish together.ariga

粋なやっちゃなぁ、トミ。

tomi lebrero ライヴ!

続いても月眠パーティーのメンバーで、友人で大阪で活動するSSWのSugamiちゃん。彼女は元旦のパーティーの後、自宅スタジオで当時制作中だった2枚組の新作『Sutasutasuta』用に、2曲でトミのバンドネオン録音。今年の9月に無事完成したCDを抱えて遊びに来てくれた。ちなみに月眠パーティーとその後の録音顛末は、こちらで「新年はtomi lebreroと!」で書かれいる。

今回大阪をafuに決めたのは、3月に初めて連れて行ってもらい、その心地良さを気に入り、5月5日のライヴをお手伝いとDJ。この時点で、afuで何かしたい!という気持ちが強まった中で、大洋レコードの伊藤さんよりトミ再来日の一報と大阪と京都でブッキング出来ないか?という依頼。大阪は即決でafuしかないと決め、京都は僕よりは時間に融通の効く、相方でModest Launchの小池氏に任せて企画がスタート。

紆余曲折の末、京都はゲストなし。大阪はトミが大好きだと僕らに熱く語っていたオオルタイチにオファーすることに。幸い2月のメヒコチードのイベントでタイチくんとは面識があったので、かなり厚かましい条件提示にも関わらず、トミの映像を観てもらい気に行ってもらったことと幸運なことにスケジュールが空いていたことも重なり、タイチくんの提案でオオルタイチ+ウタモでの出演が決定という願ったり叶ったりの展開に。

ほとんどの音響設備が借り物のafuのため、当日にはないという事態もあり得るので、借りたり買ったり、倉庫を堀り興したりで器材を用意する。ライヴ前日、当日まで入った予約で何とか形になった客席だけど、当日の天気予報は雨・・・屋上にあるafuの3分1くらいを占めるガーデン部分が使うないのは厳しいので、前日に天幕を購入。いよいよ2011年11月6日当日。

大変だったのはここからで、前々日に大部分の機材をいったん階下の事務所に搬入し終えていたけど、当日の早朝から天幕や食事で出す、おでんやらドリンク類の搬入で汗びっしょり、足はがくがく・・・エレベーターのないビルの階段を何十往復したことか・・・友人たちの協力で機材のセッティングも何とか完了。この日はオオルタイチ+ウタモのライヴとは別の撮影も入れていたので、これもあってもう大変。

その動画もアップしてます!

Oorutaichi + Ytamo_part1 from Masaki Yanagida on Vimeo.

音声録音で駆け付けてくれたTさんに助けられて何とか順調に。そうこうするうちにトミと伊藤さん到着。撮影の合間をぬってビルの一階に出迎える。そこからセッティングとサウンドチェック~リハーサル。両者の共演曲も入って時間オーバーのまま、17時15分くらいに開場。既に6~7人の方が並んでくれていた。BGMはしっかりつなごうとCD、100枚以上持ってきてたけど、受付に顔出したり足らないドリンク買出しに行ったりで全然落ち着けず、Bei RuのアルメニアのMixCDをかけてたら、真っ先にトミが「これは誰だ!!」と詰め寄られる。かなり気に入った様子で、「Shinya,You’re Genius!」って、トミ・・・人の褌で相撲取ってるだけなので、かなり面映ゆいが、少し嬉しい。

先ずはオオルタイチ+ウタモ。ここ数か月、何度か観てきたけど、今回は特に良いように感じるのは自分の企画であるという贔屓目もあろう。曲順もいい感じ。ウリチパン郡の頃から何度も観てきて、いまこうして自分の企画に出てもらってるのが何か不思議な感じがした。友川さんや梅津さんのときに感じた気持ちとはまた別のもの。ふわふわした何か不思議な感じ。

ラストはトミも参加しての加藤和彦「日本の幸福」のカヴァー。バンドネオンが重なり、これがまた良い。休憩に入り、ドリンクの書い足しやら何やらで・・相当ムダに動き回って、不審で落ち着きないように見えたんだろうな・・・

BGMはカエターノ・ヴェローゾ「粋な男」が流れる中、そろそろトミの時間。ツアーの主催者である大洋レコードの伊藤さんに「前節をして」と言われ急遽。なんやグダグダでまとまりないままトミを紹介。

燕尾服の中は「生きていると言ってみろ」Tシャツを着込み、バッチリステージ衣装。去年初めて観たライヴはニコラス・ファルコフとのジョイントで、元旦の大阪は身内だけのパーティーだったし、ソロでちゃんとしたライヴを観るのは初めて。新譜を聴いてたときから、そしてリハーサルを観て確信となったトミの音楽的な深化は、アルゼンチンやバンドネオン、タンゴやフォルクローレといった”典型的な形容”から大きく逸脱した”トミ・レブレロの音楽”の道を進んでいっているのが充分過ぎるほどわかった。それはカオスパッドとカオシレーターを取り付けたバンドネオンにも大きく主張するものが見て取れる。電子楽器との融合という、ありきたりで陳腐なものではなく、100年を超す繊細な楽器と電子楽器の中でも直感型のインターフェイスを付けているということ。どちらも同じ部分を操作したから同じ音が出る、という訳ではないということ。僕の勘違い、思い違いもあるだろうが、これがコンテンポラリーということに対する、ひとつの提示なんじゃなかろうか。

もちろん彼はバンドネオンを学ぶ中で古典への敬意はあり、トミの音楽の革新性は、自分が何処からきた何者なのか、というものにブレがないからこそのもの。バンドネオンの即興、そして、その後京都でもディノ・サル―シの曲を演ってたし、そんなトミも堪能出来た。

オリジナルのバンドアレンジとはことなり、ソロではより繊細な「Gualeguay」ではハンドベルのプレーが印象的。もう会場の皆が聴きいってるのが凄く伝わる。昨年も演ってくれた、まだどのアルバムにも入っていない曲、「松尾芭蕉」はディレイの効果もあり、よりダビーに響いた。昨年の名古屋カフェ・ドゥフィでもカウンター椅子に立ち上がっての演奏が大盛り上がりだった「Verde」は今回ウクレレで。そして本編ラストは美しいワルツ「Cuando a Caballo」。伊藤さんの伴奏ギターもちょうど良い。床にしゃがんで観てたその瞬間、ぞわわぁぁっと、こみ上げるように皆の歌声が初めは控えめに、やがてその輪が広がるようにafu全体を包み込んでいった。

トミが是非一緒にやりたい!とお互いメールで入念に打ち合わせ、リハーサルでも合わせていたアルゼンチンの古い曲を。そしてオオルタイチ、今年の2月に出た新譜の中でも白眉な「Venus」をトミ+オオルタイチ+ウタモで!  ギターとバンドネオンの生演奏の入ったCDとはまた違ったアレンジでたまらなく幸せな瞬間。

下書き始めてから時間が経ち、その後、難波、京都、名古屋と3公演を堪能。それぞれに違うトミのライヴを観れたこと。難波の帰りに友人が車で迎えに来てくれて通った南海高野線の高架下の風景のこと。プライベートなことなので書けないが、難波の日に起きたある出来事と、その時のトミの反応。大阪南部が誇る居酒屋で皆との吞み会。その後、僕の事務所で音会。京都の宿泊先。名古屋でのトミと別れの夜のこと。どれもこれも忘れ難く、何文字使っても足りないがここで置くことにする。

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