Hot Chip – Dancing In The Dark

かつてネットラジオThe Altavista Showをやってた時もなんたけど、紹介する曲は「自分で所有しているもの」をルールにしている。
ラジオ時代は、どうしてもこの曲を!という思いが強い時にストリーミングなどでダウンロードしたものもあった、勿論購入して。
で、ここ「DMR」でもそうしているんだけど、今回初めてCDでもレコードでも持っていない音源を。

昨日時間の空いた合間に観てきた『カセットテープ・ダイアリーズ』。80年代半ばのイギリス、音楽好き、詩を書くのも好きというパキスタン移民を親に持つ男の子が同じパキスタン人のクラスメートから教えてもらったブルース・スプリングスティーンの音楽に大きく影響されて人生を考えていくという実話を元にした映画。
主人公が父親との関係が上手く行かず自身の書いた詩のノートも捨ててしまえ!となった嵐の夜に、そういえばあいつに借りていたなと鞄からこぼれ落ちたスプリングスティーンのカセットをウォークマンにセットして聴いて流れてきたのが”Dancing In The Dark” ここで天啓を受け嵐の中を飛び出しいく。
ええ年のおっさんではあるけど餌も言えなくグッときてしまった。僕自身最も好きなスプリングスティーンの曲。

「DMR」でここまで書いてきたけど、1月以来更新していないし映画ネタ多くなってしまったので「Soundtracks」のタグも付けさせてもらおうかと。

この曲は数多いスプリングスティーンのカヴァーの中でも異質な方で、そうここで紹介するんだから四つ打ちアレンジ。Hot Chip自体がそうしたロックバンドの形態でダンスミュージックに寄っているので実にらしいんだけど、これがどんなカヴァーよりも素晴らしい。
スプリングスティーンのカヴァーは女性がすね場合も多く、それは本質的に彼の性質がマッチョではないことの一面を現していると思ってはいるんだけど、ここでもアレクシスの柔らかな歌声と反復して盛り上がっていく展開のアレンジ、どうぞミックスして繋いで下さい、繋げて下さいと言わんばかりの拍数、イントロがしのばせてある、ある伏線、仕掛けがエンディングに回収されていく流れの美しさ、ダンスミュージックの快感原則にどこまでも忠実なアレンジ。

2015年の『Why Make Sense?』のデラックス・エディションでCD化されているというアナウンスなんだけど、未だそんな物に出会えていないのでとっとと12インチでカットして欲しい。(今回こうした事情でジャケ写なし)

カテゴリー: DMR(Dance Music Review), MOVIE, Sounftracks   パーマリンク

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