Ian Hunter “Short Back n’ Sides” 1981

もう随分前にカテゴリーを作っていたけど、このタグで書くのは初めて。最近Twitterばかりだったというのと、NICHE-EXP本体での音楽ネタを充実させようと思い立った6月の蒸し暑い日。ルールとして、そのレコードを所有していることと、自分で写した写真だけを使うこと。基本的に古いレコードを取り上げること。

カテゴリーのタイトルは「Old Records Never Die」 いささかノスタルジックな響きではあるが、自分が何処から来た何者なのか、という意味と、ラジオやDJではフォローし切れないものも掘り下げる意味でも。タイトルはイアンハンターの曲から。今回取り上げる81年のアルバムに収録。確か邦題は「双壁のアウトサイダー」。 出会いは何年くらいだったろうか? リリース当時でないのは確実で、モット・ザ・フープルが大好きで、そこからイアンのソロも探すようになったの時期、このレコードはなかなか中古屋でも見つからず、先に聴いたのは88年出たベストCDの「Shades Of Ian Hunter」、なので89年くらい。

プロデュースが相棒のミック・ロンソンとまだザ・クラッシュのメンバーだったミック・ジョーンズ。81年なので「コンバット・ロック」発表前。モットのファンクラブに入っていただけあってミックは嬉しかったんだろうな、色んなアイデアを出しているようで後のビッグ・オーディオ・ダイナマイトに見られるアレンジもちらほら。ドラムでトッパー・ヒードンやヴァイオリンでタイモン・ドッグやコーラスにエレン・フォーリーとクラッシュ人脈の他、トッド・ラングレンとロジャー・パウエルというユートピア組、そしてトッドが2曲ミックス。その他のミッくスはボブ・クリアマウンテンで、録音はパワーステーションスタジオ。だけど後のクリアマウンテン、パワーステーションのようなゴージャスなミックスになってないのは予算の都合か、イアンの資質に合わなかったせいか。

参加メンバーの割りには、ロックの歴史に残るような、カタログに載ることもなく、名盤(という世間の扱い)とはほど遠いし、名曲ぞろいとは言い難い。イアンハンターや参加メンバーの熱心なファン以外に今後も発見される可能性は低い。僕も2012年現在、そんなに聴き直すことはないが、それでもこの1枚と「Old Records Never Die」という曲は僕のリスナー歴にとって外せない。 「Old Records Never Die」は、アルバムの中でも最もイアンハンターらしい曲のひとつでバラード。知ったのは鳥井賀句氏の編集によるムック本「ロック名盤・レコード&ビデオ・ガイド」の巻末に書かれた編集後記の結びの言葉で、この曲の歌詞を引用していた。

あの歌が聴こえたか? 何もかもうまくいかないとき 夜通しあのレコードをかけ続けよう 朝日がキミを照らし出すまで・・・・ 音楽は絶えることなく生き続けるもり どこにいても彼はキミに歌いかけてくれる 昔のレコードはいつまでも死なない。

いま聴いてもやはりいい。他の曲だってライヴでは欠かせない「Central Park n’ West」、イアン流ゴスペルの「Keep On Burnin’」 ミック色が濃い「Lisa Like Rock n’ Roll」もいいし、レゲエな「Theatre Of The Absurd」なんて、ボブディランとイアンハンターとジョーストラマーと並べてみてニヤリな1曲。トッドがミックスし、ロジャーと共にコーラス参加の「I Need Your Love」でのギャリー・ウィンドのアルトサックスなんてUKジャズファンの耳に届いてるのかな?

正直、いま聴いて現在(いま)を感じるかと言われるとアレンジや録音、曲調も古びて聴こえる。だけど僕の中ではとても大切なレコードであることだけは間違いない。

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